でもある日、気づいたんです――それは・・・。
あの頃、私たちはすれ違っていた

いつからか、夫と会話をすることが減っていました。
お互い仕事や生活に追われて、目の前のことで精一杯。
顔を合わせても、必要最低限の会話しかしない日々。
そんな中、夫の勤めていた会社が倒産の危機に。
給料の支払いが滞り、このまま倒産するかもしれない…。
不安と焦りの中で、私は「どうするの?」「支払いは?」と言う様な言葉ばかり口にしていました。
夫の決断と、見えない不安
そんなある日、石川県の震災復旧の仕事があるとの事で、仲間数人と石川県に出稼ぎに向かった夫。
でも、実際現地では必要な機材等が間に合っておらず待機ばかりで仕事ができず、ホテルもなく、車中泊を余儀なくされ、ただ時間だけが過ぎていったそうです。
踏んだり蹴ったりの年末を迎え、最終的に勤めていた会社から給料は支払われたものの、家計は安定どころかガタガタでした。
元の会社を退職し思い切って独立を決意し、慣れない一人親方としてのスタートに不安もありましたが、ご縁あって心ある企業さんからお仕事を頂けて何とか収入源は確保するも、預貯金のなかったわが家の家計は常にギリギリで「本当にやっていけるの?」という不安がいつも隣り合わせでした。

変わったのは、たったひとこと
ある晩、お金の話でまた口論になりかけたとき、
夫が言いました。
「パパ、もう少し頑張るよ。
ママは、好きなことを好きなようにやっていいよ。
でも、赤字は困るよ(笑)」
その言葉を聞いた瞬間、今までのギスギスしていた気持ちが一気に晴れて、深い感謝と安心感でいっぱいになりました。
普通こういう時、「お前もパートでも何でもいいから働けばいいんじゃないの?」とか言いそうなものなのに、お金の事で話し合いもピリピリしていたのに、返ってきたのは大きな器の大きな優しさでした。
本当にそのたった一言が長年どうしても変えられなかった私の気持ちを。本当に180度がらりと変えてくれました。
あの瞬間、私は気づきました。
人の心は、人の言葉で本当に変わるんだって。
私の中で、何かが変わった
あの日から、少しずつ私の中の“トゲ”がなくなりました。
夫の歯磨きの音、咀嚼音、スマホの通知音――
あんなにイライラしていたのに、もう全然気にならない。

代わりに出てきたのは、感謝と愛しさでした。
これまで見ようとしなかった夫の努力や優しさが、
こんなにもたくさんあったんだと気づきました。
正確に言えば本当はずっと知っていたけど見ようとしていなかったんです。
相手は変えられなくても、いつでも自分から変われる
それから、私は夫の体を労わるようになりました。
クレイの足湯をしてあげたり、アロマオイルでマッサージしてあげたり。
今まで散々習ってきた手技や知識、子供達に使う事はあっても、宿題などの時以外は全くやってあげなかった私。
こんなにボロボロになる前にもっと早くからやってあげればよかったと後悔しています。
そして「おつかれさま」と言葉をかける時間が、いつのまにか私自身の癒しにもなっていました。
夫婦って、どちらか一方が変わるだけでも、
空気ってこんなに優しく変わるんですね。

終わりに:言葉が心を動かす力
誰かを変えようとするよりも、
自分の中の見方や言葉を少し変えるだけで、世界が変わる。
たったひとことが、
人の心を溶かし、
関係をあたためることもある。
あの日の夫の言葉がこんなにも自分を変えてくれるとは思いもしませんでした。
会話って大事ですね、これからはなるべくたくさん会話をして、どんな時でも相手を思いやれる自分でいたいと思いました。
✧• ───────────────────────────────────────── •✧今日の小さな日常のひとコマが、あなたの毎日に少しでも彩りになりますように。
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